わきが手術は脇汗対策にも有効

ここではわきが治療と脇汗への相乗効果についてご紹介します。

わきがと多汗症を同じものと勘違いしている人が多いですが、実は違う病気です。

わきが手術は脇汗対策になる?わきがはアポクリン汗腺から出る白濁色で無臭の汗が皮膚表面にある常在菌、雑菌、汚れなどと結びついて悪臭を放つ病気。

一方で、多汗症の場合はエクリン汗腺からでる無色透明で無臭の汗が出てくるのですが、この汗は99%が水分なので、基本的に臭いはしません。ただ異常に汗をかくという病気です。また多汗症とまではいかなくても、汗っかきで暑い日や運動をした時に脇汗が凄い、という人もいます。

では、わきが手術を行ってもアポクリン汗腺を除去するのだから、多汗症や脇汗が酷い汗っかきの人には効果がないのでしょうか。

たしかにわきが手術の目的はアポクリン汗腺を除去することです。ですが、わきが手術を行う際には、近くにあるエクリン汗腺もある程度除去することになります。特にアポクリン汗腺の根っこ(導管部)までしっかり除去する方法だと、エクリン汗腺も大幅に切除することになります。そのため、脇汗も解消することができるのです。

わきがの臭いがキツイ人は、多汗症も併発していることが多いので、わきが手術を行うことで汗の分泌量を抑えることができます。

わきが手術によっては汗の量が大して変わらない場合も

わきが手術は脇汗対策としても有効ではありますが、手術の方法、クリニックによっては汗の量がほとんど変わらない場合もあります。それは、わきがの原因となるアポクリン汗腺と多汗症、脇汗の原因となるエクリン汗腺の位置、質が異なるからです。

どちらも皮膚の内部になるのは同じことですが、その深さが違ってきます。アポクリン汗腺は深い所にあり、エクリン汗腺は浅い所にあります。

たとえば、わきが手術でもっとも効果が高い直視下摘除法は切開して皮膚を裏返して汗腺を切除します。その際、位置が逆になるのですから、アポクリン汗腺は上部にエクリン汗腺は下部になります。切除する際、あまり深く切除しないと、エクリン腺まで取り除くことができないのです。

もちろんアポクリン汗腺は綺麗に除去できるのでわきがは治りますが、エクリン汗腺が残るため汗はあまり解消できないことになるのです。

また、エクリン汗腺は、アポクリン汗腺よりも固いのです。レーザー治療法や吸収法だと、アポクリン汗腺は取り除くことができても、エクリン汗腺は残ってしまいがちなのです。

わきが手術でも脇汗があまり解消されないケース

・吸引法やレーザー治療法を行った場合
・直視下摘除法でも深くまで切除しないクリニック(※)
・技術が未熟、丁寧に行わないクリニック

※直視下摘除法では術後3日~1週間ほど圧迫固定しなければいけません。これは毛細血管が分布している真皮まで切除するためです。

その範囲が深くなればなるほど圧迫固定が必要となります。もし、圧迫固定を長期間行わなくてもいい、とウリにしているクリニックの場合は、意外と深くまで切除していないケースが多く、エクリン汗腺が残ってしまっていることがあります。

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